冷徹社長の容赦ないご愛執
認める、気持ち。
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 『送ってやりたいけれど』と申しわけなさそうに言った社長は、そのあと筆頭株主や役員達との食事会に行くことになっていた。

 そこには、ルイさんも同席することになっていて、今日はもう社長と話をすることはできなさそうだった。

 まだ拭いきれないもやもやとしたものに、不安を掻き立てられながらも帰宅する。

 少しでも気持ちを落ち着けようと、今夜はバスタブにローズウォーターを入れて入浴した。

 甘い香りにリラックスしながらお風呂で体を温めたあと、ベッドに入ったのは二十三時を回った頃。

 おとといの夜の今ごろは、社長とふたりでまるい月を眺めながらグラスを合わせていたことを思い出す。

 彼は今、使いたくないおべっかを並べ、作った笑顔でおじ様たちの相手をしているんだろうか。

 英語に精通している株主の方を介して、どんな話をしているんだろう。

 建前ばかりで疲れていないかな……

 こんなときでも、私がそばについていてあげたかったと思うのは、社長が私に信頼を寄せてくれていると実感しているからだ。
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