契約書は婚姻届
第16話 新婚旅行へGO!
朋香はフランスからドイツに向かうICEに乗っていた。
去り際、尚恭が尚一郎に、必ずカーテの元を訪れるように厳命したのもある。
尚一郎は渋っていたがつい先日、カーテから招待状が届き、休みを取って訪れることになった。
「お仕事、本当によかったんですか?」
座る場所はシートの上ではなく尚一郎の膝の上。
コンパートメントで本当によかったと思う。
「大丈夫だよ。
朋香が一緒なら、急ぐ必要はないからね」
ちゅっ、朋香に口付けを落とすと尚一郎は楽しそうにふふっと笑った。
このままずっとフランスで暮らしちゃおうか、そう冗談めかして云われたのはほんの二、三日前のことだ。
明夫や洋太に気軽に会えなくなるのは淋しいが、達之助の手の届きにくいフランスで暮らせば、尚一郎は楽になるのではないか。
頷く朋香に尚一郎は嬉しそうに笑っていたがどこか淋しそうで、ずきずきと胸が痛んだものだ。
去り際、尚恭が尚一郎に、必ずカーテの元を訪れるように厳命したのもある。
尚一郎は渋っていたがつい先日、カーテから招待状が届き、休みを取って訪れることになった。
「お仕事、本当によかったんですか?」
座る場所はシートの上ではなく尚一郎の膝の上。
コンパートメントで本当によかったと思う。
「大丈夫だよ。
朋香が一緒なら、急ぐ必要はないからね」
ちゅっ、朋香に口付けを落とすと尚一郎は楽しそうにふふっと笑った。
このままずっとフランスで暮らしちゃおうか、そう冗談めかして云われたのはほんの二、三日前のことだ。
明夫や洋太に気軽に会えなくなるのは淋しいが、達之助の手の届きにくいフランスで暮らせば、尚一郎は楽になるのではないか。
頷く朋香に尚一郎は嬉しそうに笑っていたがどこか淋しそうで、ずきずきと胸が痛んだものだ。