極悪プリンスの恋愛事情


冬休みがないイコール友達と遊ぶのは疎か、凛くんに会うことだって叶わない。


デートの約束なんて全く現実的じゃないけれど、万が一を想定したっていいじゃない。

これは死ぬ気で勉強しないとまずいかも……?


「どうしよう皐月!私前回の英語赤点ギリギリだったのに!」


「静香ってそんなに英語苦手だったっけ?」

「そうなのやばいの!だからさ、勉強会しよ?」


「えー、でも私は数学危ないから教えてる暇ない」

「そこをなんとか……!」


皐月に向かって必死に手を合わせた。

目の前に座る皐月は困惑しながら眉をひそめて言う。


「じゃあさ、相崎に教えてもらえば?あの人授業サボりガチなのに成績いいじゃん」


「え、凛くん……?」


気の抜けた返事。

その後すぐにその手があったかと手を叩いた。


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