教えて、空の色を
彼女が生きてる世界
雰囲気も十分甘くなって

兄貴は居ない……

そりゃあ……自宅に連れ帰るよね?

一人にするのが心配だし
ここに置いとくの不安だし


何より……やっぱそばにいたいじゃん?

怖がってるから無理強いなんてしないけど……あわよくば……ね?

「はい、どうぞ…」

家に着いてから

「ありがとう……」

出したのは缶ビールと缶コーヒー

「どっちにする?」

「ビール…かな…うん…」

らしくなく、何だか緊張してしまい
座ったソファの上でそわそわしながらビールを差し出した

そして隣に座る紗由理の腰を引き寄せて
抱きしめると瞼に頬にキスを落とす

「ん……」

「……可愛いな…あれ、こんな可愛かったか紗由理って…」

キスに擽ったそうに身体を揺らす紗由理が、可愛くて
ついつい何度も顔にしてしまう

「ちょっ……河野さ…ん…」

そのまま押し倒したその時……

紗由理が

「あ、河野さんの手、真っ黒ですね…ふふふ…」

そう言ってきた

ん?と手のひらの側面を見ると青いペンキが付いていて…

「ああ……真っ黒ってか…真っ青だろ?」

何気なく見てからそう言って

すると……

……見下ろした紗由理の白い顔がみるみる青ざめていく

「ど、どうした?」

聞くと……

両手で顔を覆って隠すと

急にオレを押しのけて立ち上がったかと思うと

荷物を掴んで飛び出した



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