桔梗の華 ~途中公開~

此処から~出会い~



「よし、制服も乾いたし!瑞様行ってくるよ!」

乾いた制服に着替えて
村の入口に立つ
その横には神威も腕を組んで立っていた

「気をつけるんじゃぞ、神威ちゃんと桔梗を守るのじゃぞ」

「ふんっ術のせいで勾玉もとれねーし、他の妖怪に取られても癪だから行くだけだ」


素直じゃない奴。
でも悪いやつじゃないし
頼りにしている


瑞様と村の人に見送られて歩き出す
少しだけどありえない現実に
ワクワクもしている








「ところでよ、お前見慣れねー格好してんな」

「お前じゃなくて桔梗、名前で呼んでくれないなら応えないから」

いつになったらこいつは名前で呼ぶんだ

「まあ、私もなんでこの時代に来たのか分かんないけど未来から来たってことになる」

「ミライ?なんだそれ」


そっか…昔だから未来って言葉も
分からないのよね
納得してない顔で横を歩く神威に
ふふっと笑がこぼれる


封印されたと言われるこの半妖は
もっと凶暴で怖いかと思ったけど
実際そこまで悪いやつじゃないし
なんか違和感を覚える

私が見た夢で勾玉を持ち去ろうと
翠子様に封印された時2人は憎しみあってた
妖怪と人間…やっぱり分かり合えないんじゃないのかなと思ったけど現に隣を歩く神威は
恐怖という言葉は出てこなかった。






闇雲…あいつは普通じゃない。
巫女の結界に入ってきて私を、いや
金源の勾玉を狙った妖怪
見た目は人だったけど触手とか扱ってたし

妖気の圧力もこの私でさえきつく感じた

そんなやつと神威は戦ってたのよね。
ならこいつも強いんじゃないのかな?
少しは頼りになるよね?


「おい、村が見えたぞ」



数時間歩いていたら道の先に集落が見えた


神威と村の中に入ってくとやっぱり
じろじろと見られる
「ひいい!妖怪じゃ!!」

神威の姿を見て慌て逃げてく村の人
「なんだあ?こいつらふざけやがって」
村の人の態度にイラつき始める神威に
落ち着いてと言ったけど

「あのー!怪しいものじゃありません!」

一生懸命訴えてるとみんな隠れながらも
こっちに、興味を示してきた。

「あのー!聞きたい事あるんですけど!」

「お前って図々しいとこあるんだな」

「なんですって!こーでもいわないと旅先初っ端からなにも掴めないじゃない!」

言い合いする神威と私の目の前に
年寄りのおじいちゃんがのそのそと
向かってきた。

村長さんかな?


「旅のもの。失礼な態度すまない、ココ最近妖怪がよくあらわれるでな、村の州は怖がっておるのじゃ…」

「ココ最近って、その前まで妖怪は現れなかったんですか?」

「小妖怪共はたまに畑を荒らす程度だったんじゃが、どうやら鈍ましい勾玉が復活したとかで大きい妖怪どもが騒ぎはじめたみたいでな。」

絶対それ私のせいじゃん…

「旅のもの、ところでなんの用かね?」

「あ、その勾玉についてなんですけど封印以外で玉を消滅する事って出来ないんですか?」



「ふむ…無理じゃろな。50年前は翠子様しか有能な巫女様はおらんかったからのお。」


翠子と言う名前に神威の耳が動いたのを
私は見逃さなかった

「そうですか…」

なにも進展も掴めずに終わったと思ったら


「妖怪がでたぞーーー!!!川辺の畑がやられたみたいじゃ!!!」

村の若い男の人たちがこちらに叫んでいた
「どうやら、小妖怪がでたみたいじゃな。小妖怪で厄介でのお~収穫もできなくてこの村は貧困で困っておるのじゃ。」

「はぁ、ちょっと神威!助けてあげよーよ!」

「ああ?小妖怪如きで俺が出る幕じゃねーだろ、」

「そうだけど、可哀想だよ。」

村長は目に涙を溜めて助けサインを
送ってくる。断れない…


「村長、その妖怪が出るとこに案内してくれませんか??」

「は?!てめーなにかってに」
「うるさい!行くよ!」

強引に神威の袖を掴み妖怪が出たとこに
急いで向かった_______


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