愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


もうすぐ大型連休に突入するため、連休に向けたイベントが開催される。
しかし、このプロジェクトは私は関与してないため、簡単なお手伝いだけで穏やかに連休を迎えられそうだった。

そんなある日の日曜日。
昨日の夕飯後、映画を見ながら寝落ちしてしまったため今朝はいつもより早くに目が覚めた。

カーテンを開けると春らしい天気の良さで、散歩がてらいつもとは違う少し遠くのスーパーへ買い物へ行ってみた。たまには違うところも楽しい。

日用品が安く買えたことに嬉しくなって鼻唄混じりでマンションへ戻ってくると、1階の入り口でオロオロとしている女性がいた。
マンションの入り口側ではなく、その隣のクリニックへ通じる自動ドアの扉の前でだ。どうやらドアが開かないことに困っているようだった。

今日は日曜日でクリニックも薬局も休みだから当然、入り口の自動ドアは施錠されて閉まっている。

しかし、女性の狼狽えたその尋常じゃない戸惑い方にどうしたのだろうと近くまで行って、ハッとした。女性は3歳くらいの男の子を抱えて青ざめていたのだ。
その普通でない表情に気がつけばつい声をかけていた。


「あの、大丈夫ですか?」


私の声かけに女性は振り向くと泣きそうな表情になる。



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