Perverse second

episode 6

最近あまり顔を合わせていなかった三崎だったが、珍しく俺の隣の席に納まっていた。




「最近、数字は伸びてるけど無理してるんじゃないのか?」



数字は好調を表すように上がっていたが、横目で見る三崎の顔色はあまりよくはない。



心配になって声を掛けると、



「そんなことないよ」



パソコンから視線を動かさず、口元にだけ笑みを浮かべて三崎は冷たくそう言った。



「お前…なんかあった?もしかしてまた竹し…」



「大丈夫。彼女からは何もないから」



俺の言葉を遮って、三崎らしからぬ強めの口調でそう返される。



確かにここ最近の竹下は、俺が見る限り三崎に対しては大人しくなったように思える。



けれど少しでも気に入らない事があると、すぐに三崎を標的にしようとするところは一向に変わらない。



いつなんどき三崎に矛先が向くかもしれないのだ。



「…何かあったら俺に言えよ?」



俺が何とかしてやらなければ。



俺ならなんとかできるから。



そういう気持ちで伝えたのだが。



「ありがとう。でも前にも言ったけど、私が解決する問題だから」



三崎はバッサリと俺を切り捨てた。



「津田さんがサポートするって言ってくれたから」



この一言は俺に大きな打撃を与えた。



三崎は俺のサポートなんて望んではいないのだ。



やはり三崎に必要なのは、適格に事を進められる津田さんなんだ。



こんな形で竹下を食い止めようとしているだけの俺は、結局何の役にも立っていないのかもしれない。
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