冷酷な王さまは愛し方を知らない

最悪な再会



月日だけが淡々と過ぎていく。
季節は、肌寒くなっていた。


星空祭のあの日から、アルさまにお会いすることはなく。
それは、これまでの生活からいえば、当然のことなのにどこか寂しく思ってしまう自分がいる。


それは、自分がアルさまに対して、持つべきじゃない気持ちを抱いてしまいつつあったことが原因。
その思いは消化することもできず、もやもやと消化不良のように胸の中に残っている。



「リズ、私の代わりに買い付けに行ってもらいたいんだけど」

「私が行っていいんですか?」

「もちろん。そろそろリズにも任せていこうと思っていたところなの」


花は配達をお願いしているものと、直接出向いて目で見て選んで買ってくるものとある。
買い付けは基本的に店主であるサーシャさんが行っていて、私が行ったことはない。

それを、私に頼んでくれるというのだ。



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