イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます

母の再婚

定時で会社を出ると母がとてもおしゃれをして立っていた。

「待った？」

母は首を横に振る。

「ううん全然。それより急に会わせることになってごめんね」

「何言ってるの。私はうれしいよ。ちょっと緊張するけど」

母が再婚を考えていると聞いたときは凄くうれしかった。でもよく考えてみると母が再婚すれば旦那さんになるひとは私の父になる。母が好き人だから私も好きになれる…とは限らない。

でも好きになりたい気持ちはある。

私は今から会う母の選んだ人が素敵な人でありますようにと願う気持ちで待ち合わせ場所であるホテルへと向かった。



タクシー乗り、目的地のホテルに着いた。

ホテルで会うというのは聞いていたがまさかこんなセレブに人気の世界的に有名なホテルとは思いもせず昼間、文佳がいってた政治家とか芸能人とかあながち間違っていないのではと緊張が走る。

ホテルのロビーには巨大なシャンデリアが私たちを出迎えてくれた。

これが落ちたらどうしようと思うのはビンボー人が考えちゃうことだろうか…


緊張しながら歩くと母の方がフッと立ち上がる。