処刑バッヂ
パーティー
廊下から何も聞こえて来ない事を確認して、涼希がドアを開けた。


体育館から漏れ出てくる光の中には、誰の姿もない。


けれど体育館内からはなにか物音が聞こえてきている。


3人とも、体育館の中にいるのかもしれない。


あたしたちは足音を忍ばせてそっと倉庫から出た。


その瞬間、血なまぐさい臭いが鼻孔を刺激して呼吸が止まってしまいそうになる。


「なにこれ……」


一番最後に出て来た梨央がそう呟き、体育館へと視線を向けた。


開け放たれた体育館の中床に転がる3人の死体。


その周囲は血に染まり、3人の体がバラバラに切断されているのがわかった。


再び込み上げて来る強い吐き気をどうにか押し込めて、あたしは視線を背けた。


「早く行こう」


涼希にそう言い、あたしたちは移動を始めたのだった。
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