独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
エピローグ
「……まさか、フィリーネ様の方が先に結婚するとは思いませんでしたけどね!」
「それは、アーベル様に言ってほしいんだけど……」

 あっという間に婚約が調って、あっという間に結婚式だ。先を越される形になったヘンリッカがぶうぶう言いながらも支度を手伝ってくれる。

「このウエディングドレス、譲ってくれるというから文句は言いませんけどね!」

 今やユリスタロ王国、三乙女のレースといえば、大陸中の若い女性の憧れの品となっている。昔は権勢を誇っていたものの、今や山間の小国となってしまったユリスタロ王国の王女が、アルドノア王国の王太子を射止めたのだからそれも当然だ。

 クラインの店でしか入手できないために、今やクラインの店は、若い女性であふれ返っている。
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