借金取りに捕らわれて 2
仕事 ~ 隼人side ~
「それで?二階堂は何吐いたんだ?」


事務所の革張りのソファーに腰を下ろす拓海さんは、俺が入ってくると挨拶もそこそこに本題を切り出した。


「吐いたこと前提ですか?」


俺が困ったような笑みを浮かべると「あったりめーだろ。」と、拓海さんはバカなこと言うなとでも言いたげな表情を浮かべた。


「お前が、吐かせられない奴なんていんのかよ。」


「買い被りすぎですよ。」



俺だって、欲しい情報、言葉を、誰でも引き出せるわけじゃない。
実際、一番欲しい言葉は、言ってほしい人から中々引き出せないでいる。



「それに…吐いたから、二階堂をこっちに渡してきたんだろ?」



ニヤリと見透かすように口角を上げた拓海さんには、全てお見通しらしい。



「ええ。二階堂は、早瀬に闇医者を紹介したと言ってました。」


「闇医者?」


「元々は腕の良い外科医だったらしいですよ。」


「なんだ?早瀬はどっか悪いのか?」


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