大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「アヤに贈り物をしたい。
何か欲しい物はあるか?」

「いえ。」

そんなことを急に聞かれても、すぐに思いつくわけないでしょ。

そんな私の心を知ってか知らずか、

くすっ

と大王が笑みを浮かべる。

「何もいらないから、帰してくれ…
という顔だな。」

分かってるなら、帰してよ。

私は心の中で思う。

「じゃあ、贈り物は俺が決めよう。
楽しみにしてるといい。」

大王は、食事を終えると去っていった。


はぁ…

帰りたい。

機織りしたいなぁ…





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