俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
お前の席


『紗由理、聞いて!!』


昨日の夜、わたしは即座に紗由理に電話をかけた。


『王子様じゃなかったの!!

俺様な偽物王子だったの!!』


『...はあ?』


わけが分からないといったふうに声をあげる紗由理。


とにかくわたしは理解してほしくて、その日あったことをすべて説明した。


電話ごしなのに、身ぶりは大きくなってしまいながら。


『それ、ほんとう?』


紗由理も最初は信じられない様子だった。


『...でも、ハルがいちいちそんなウソつくわけないか』


『そうだよ!!わたしにとってイヤなウソつくわけないじゃん!!』


『なんか面白いことになってるね』


おかしそうに笑う紗由理。


『どこが面白いの!?』

< 30 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop