王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~






 今日で、フレデリック様の訪れから三日が経つ。しかし、ふとした瞬間にフレデリック様が脳裏に浮かび、私をドキドキと落ち着かない気分にさせていた。

「……まぁさ、あれは反則だわよ。本物の王子様の、含みなしの笑顔なんて見ちゃった日にゃ、数日間は悶えるってなもんでしょう。ねぇコケオ?」

 我が家の唯一の男性、ならぬ、おんどりに水を向けてみる。

 だけどコケオは、なんだかツレナイ様子で首を巡らせて、隣のコッコにツンツンとちょっかいをかけ始めた。

「……うん。こりゃ、相談する相手を間違えたね」

 私はよっこらしょと、しゃがみ込んでいた鶏小屋の前から立ち上がった。



< 33 / 284 >

この作品をシェア

pagetop