社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
連鎖倒産
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連鎖倒産

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翌月、その知らせは突然、舞い込んできた。

取引先の1つが不渡りを出した。

そして、うちは、その系列会社の全てにネットセキュリティの契約をしている。

売掛金の総額は、1億円を超える。

全てが連鎖倒産したら…

その日から、修努は多忙を極めた。

弁護士と相談し、売掛金の回収に努め、銀行に融資をお願いに行く。

損失を埋めるためにも、新たな顧客を獲得したいが、信用をなくしたセキュリティ会社に依頼する企業は少ない。


修努は、自席で肘をつき、頭を抱えて、大きなため息を吐いた。

私は、その前にコーヒーをそっと置いた。

「社長、大丈夫です。
きっと何とかなります。
無理なさらないでください。」
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