さようなら、初めまして。
・4週間目
【私、よく解らない】

【ん゙ん゙ー?いきなりそれから?こっちは何の事か…もっとよく解らないよ?】

そうよね。こんな呟きめいたモノ…。んー。んー。はぁ…。

【ジンさん、今帰ったの】

【は、あ。どういう経緯からの?今、どこから?メールじゃなくて電話にしようか?】

【また明日も会うことになってた】

【ん?このままでいいの?明日もって、承諾なく決まってたの?ねえ、何か言われた?…とうとう告白、されたとか】

【ううん、とんでもない。そんな事は言われてないよ】

【ふ~ん。じゃあ、それに移行するための前段階を踏んでるって事なのかな~。冗談抜きでそうなんじゃない?だって、そうじゃなきゃ誘う意味が解らない。でしょ?だって、立て続けって感じだし。ぐいぐい来てる感じ?どうなの?】

…。

【それだと困る?私の勇み足?】

…。

【まあ、断るにしても、実はそんなつもりは無いって人に、こっちが勘違いして『こんなの困ります』って言っちゃったら恥ずかしいもんね。ただの何でもないお誘いなら】

…。

逢生?どうしたの?解らないって言って来てるのに、余計悩ませちゃったかな。返信して来ないなら、電話の方が話せるんだけど。……好きになられてるんじゃないのって、私が意識させてしまったから。悩み始めたんだな。

【あのね、逢生。会ってるのが楽しいなら、今はそれでもいいんじゃない?何かあるなら、その時に、だよ。別に男性でも、関係性がいいなら友人関係になってもいいんだし。いい人なら、そんなに身構えなくても。ご飯食べるのも、話すのも、楽しいんでしょ?だから、会ってるんでしょ?
ちょっと強引なくらいに誘ってくれてるくらいが、今の逢生にはいいような気がする。悪い人でも無さそうだし…解んないけど、不可解でも楽しんじゃいなよ、いいと思うよ?】

……確かに戸惑いはあるけど、嫌だとは思ってない。アキちゃんが言うみたいに、強引に誘われてるのも…私、ちょっと楽しい…のかも…。

【いいのかな、誘われるままで】

やっぱり、どうしようって思い始めたんだ。

【いいんだよ、誘われてるんだから。男性からのお誘いだよ?あ~あ、私も誘われたいよ~。逢生が嫌なら私が行こうか?なんてね。そうだ、ねえ、写真撮りなよ、写真。それで私に見せて、彼を】

…彼って。何気にその言い方、それ、違うからね?

【そんな事、できない、しない、彼じゃないから】

第一、何て言って撮るのよ…。きっかけも何も…。無い…。出来る訳ないじゃん。そりゃ説明下手の私より、写真なら一発でこの人がジンさんだって、解ってもらえるけど。

【解ってる~!ちょっと知りたかっただけよ~。未だに、まだ顔、知らないから】

【…説明が下手だから】

だからって、その為になんて…撮れないよ。

【そう!顔の確認くらいしたいじゃない?まだ私、想像の域だからね?もう勝手に作り上げちゃって、このままだとどんどんイケメンに拍車がかかるわよ?】

あ、…うん、フフ。アキちゃんらしい…言い方だな。きっと、目の前に居たら人差し指を立てて力説してる。

【いい男には違いなさそうだけどね?勿論ハートは間違いなく】

んーー、う、ん。そうなんだけどね…。
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