日向はキミのもの。
私は最近、優希と2人で帰っている。
理由は席が離れたから話す機会が少なくなってしまったからだ。
いつも通り、教室を出たところで優希を待つ。
毎日。優希は男友達と話してから教室を出るため、
私が先に出て待っているのだ。
「優希くん」
「ん?」
「帰りに・・・渡したい物があるんだけど、いいかな?」
「いいよ」
この声は・・・有田さん?
廊下にいても聞こえる声量。
耳を傾けて聞く。
「じゃ、じゃあ・・・
昇降口で渡してもいい?」
「い、今じゃだめ?」
「うーん。誰もいないかな?」
これ私いちゃダメなやつ?だよね。
でも優希は私がここにいること知ってる。
どうするんだろう。
「ちょっと廊下見てみるね」
「うん」
やばい見つかっちゃう
私は怖くて目をぎゅっと瞑った。
ん?何も無い。
ゆっくり目を開けると目の前には優希がいた。
「ゆ、優希・・・」
「しーっ!」
「あっ・・・ごめんなさい」
更に優希は詰め寄ってきて顔と顔が重なりそうになった。
「賢く待っててね」
頭を優しくなでなでされて去っていってしまった。
「誰もいなかったよ」
優希優しい。
騙してくれた。
「ほんと?じゃ渡すね」
「おう」
・・・・・・
「こ、これ」
「ん?何これ」
何?何を渡してるの??気になるよ。
「お、お守り!私たち受験生だから、合格祈願に!」
「えっ、まじ?」
「うん!」
「めっちゃ嬉しい!ありがと!」
「そ、そんなに喜んでくれてら照れちゃうな(笑)
お互い勉強頑張ろうね!!」
「おうっ」
優希喜んでる。
すごく喜んでる。伝わってくるよ。