日向はキミのもの。











日曜日。休みの日は一日中勉強。



「ぐわあああ」




手をぐっと上にあげて伸びをした。



センター試験まで後 2ヶ月ほど。




自分で作ったセンター試験までの日めくりには
『後2ヶ月!!努力は必ず実る!』



そうだ。努力すれば・・・!必ず!






「日向〜」



「はーい?」



「ご飯できたけど、もう食べる?」



「うん・・・食べる!」



「じゃあ来なさい〜」




ちょうど休憩タイムだったから良かった。







「どう?勉強は!」



「うーん。どうだろうね(笑)」



「お隣の中学3年生の子、日向と同じ高校に受験するらしいわよ」



「そうなんだ」




隣の人は明るくて可愛らしい女の子。


私とは対象的な性格だけど、度々会う時は近寄って挨拶してくれる。



明るくて可愛いのに優しいなんて・・・


なんていい子なんだろう。






「あっ、そうだ!合格祈願に今度お参りでも行こっか」



「お母さん、大袈裟!」



「なんでよ!受験でしょ?大切なことじゃない」



「そうだけど・・・」






お母さんは毎日仕事で明け暮れていて、休みはなかなかない。


その大切な休みを私のことに費やすのは申し訳ない。





「それと、日向 付き合ってるのね」



「・・・へっ?」





お、お母さん急に何を言い出すの?



「最近なんか綺麗になったと思ったら、そういうことだったのね」



「いや・・・なんでそのこと・・・??」



「あーっ、聞いたのよ!

隣の子から〜」



「えっ、菜穂(なほ)ちゃんには言ってないけど。」



「お母さんに言われても知らないわよ〜!

さっき、スーパーから帰る途中に会って聞いたわよ」



「・・・・・・」






お母さんには知られてほしくなかった。



というか、なぜ菜穂ちゃんが知っているのか・・・

どこかで情報が漏れたとしか思えない。



今度あったら聞いてみよう。














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