フルール・マリエ
ボヌール


真田さんが不在のある日、休憩中だった冴羽さんが、そう言えば、と話し出したのは衝撃的な内容だった。

「真田さん、海外赴任かもって話があるみたいよ」

「え!?」

「楢崎さんからの情報ね」

「何で海外なんですか?」

「今度ニューヨークに支店を置く話があって、そこの支配人に、ってことらしいよ」

確かに最近、本社に行っていることが多い真田さんだが、海外赴任の話が関連しているのだろうか。

でも、決まっていたら私に話してくれても良さそうなもの。

極秘で言える状態ではない話なのか?

「真田さんがここに来てから2年は経つよね?最初からここはステップの一つなんだろうし、やり手なら2年で海外もあり得そうよね」

前の支配人も数年ここで勤務して、栄転しているから真田さんも後々はそんな道を辿るのだろうと思ってはいたものの、まさか海外とはスケールが大きい。

「海外で新店舗ってなったら、しばらくは帰って来ないのかもね」

「しばらくってどれくらいですかね?」

「さあ・・・?軌道に乗るまで?」

それがいつまでなんでしょうか。



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