キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
2-1
早いもので、あっという間に一年の終わりがやってきた。
今年はリストラだの転職だの、振り返ればちょっとした人生の分岐点だったのかと思う。

仕事はまだまだ、慣れたような慣れないような。
これまでの売買取り引きの伝手で、賃貸管理を任されてる物件も幾つかあるみたいで。賃貸関連の仕事も覚えて欲しいって、吉井さんにお願いされてる。
・・・うん。頑張ろう、来年から!


年末年始のお休みは、たっぷり26日から1月6日まで。クリスマスが仕事納めだった。
ミチルさんの会社は27日が仕事納めで、28日から6日まで。まあまあゆっくり、二人でお正月を迎えられる。

「りっちゃん、水回りの掃除は僕がやるから、リビング頼むね」

「はーい」

自分の部屋はとっとと休みに入った初日に終わらせ、晦日の今日は大掃除。
明日は年越しの買い出しに行く予定だ。

お風呂、洗面室、トイレ、キッチンのシンクやコンロなんかをミチルさんがきっちり磨き上げ、あたしは普段はそこそこ手抜いてるラックの棚やら、カップボードの引き出しやらを拭き掃除。
一日がかりになったけど窓ガラスも綺麗にしたから、達成感と爽快感で、気持ちよく年が越せそう。

ちなみにいつもの家事分担は、朝ご飯とお弁当作りはミチルさん、夜ご飯があたし。洗濯は各自で、毎日のお風呂掃除はミチルさん。共用部分の掃除は、今は休日が合わないから、リビング掃除と水回り掃除をお互いの休みごとで交代制だ。
とは言っても結局は完全週休二日制の彼に、しわ寄せが行っちゃってるんだけど。

その辺もミチルさんは甘いからなぁ。
お兄さんとお父さんとお母さんの三役を、一人で背負わなくたっていいのに。

・・・ちょっぴり思う。


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