海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
驚愕の真実


 兵士が全員撤収すれば、船長室には私とアーサーさん、爺さんの三人が残った。
「ローシャル伯父上ですね?」
 ん!? なんだって!?
すると突然、アーサーさんが爺さんを、叔父上という謎の呼称で呼びかけた。
「バーミンガー王家は代々、直系の王子王女の出生順に、聖人を象った紋を宛がっている。そうしてこの指輪が刻むその紋は、本来なら陛下の前に並ぶべき、空白となった紋。その紋を所有するのなら、あなたはローシャル伯父上です」
「ハハッ。アーサーよ、存在を秘されたわしに、そなたのような甥などいやぁせん」
 え、えぇえ!?
アーサーさんの問いに対する爺さんの答えは、肯定と同義だった。信じがたいが、アーサーさんと爺さんはまさかの親類縁者であるらしい。
 ……ヒェ~! 世の中って、狭いんだなぁ!
 しかも今の内容だと、アーサーさんは王家と縁続きということだ。海軍提督と聞かされた時、その身分の高さも想像はしたけれど、よもや王家に縁とは……恐れ入った!
 衝撃の事実に驚くが、言われてみれば目の前のふたりは、その顔立ちや色彩がどことなく似通っていた。
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