クラスメイトの告白。


氷水の中に浸したタオルをきつく絞って、彼の額にそっとのせた。


「お水、ここにあるからね」


枕元にペットボトルの水を置く。


彼は目をとじたまま、うなずいた。


布団のそばに座って、熱でつらそうにしている彼の顔を見つめる。


本当に病院に行かなくていいのかな。


このまま伊原くんをひとりにして帰るなんて、できないよ……。


ハッとした私は、カバンの中からスマホを取り出した。


そうだった、バッテリー切れちゃったんだ。


なんでこんなときに……ちゃんと充電しておけばよかった。


うちの家族、きっとすごく心配してる。


どうしよう……。


帰らなくちゃ。


でも、伊原くんのことが心配でたまらない。
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