溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
向き合う現実
変わらぬ朝

見慣れた景色

同じ顔ぶれ

変わったのは私の心だけ。

慶太に想いをぶつけられた日から数日。

私は何の答えも行動も出せないまま、相も変わらぬ日常に埋もれていた。

「楢岡さん、どうしたの?最近ボンヤリしてること多いけど、、、」

「あ、すみません。何でもないです。」

「そうは見えないよ?大丈夫?」

「本当に大丈夫です。」

心配そうにする棚橋さんへ笑顔を向けて、姿勢を正し直した。

ヤバいな。

私、そんな顔に出てたのかな。

ちゃんと切り替えなきゃ。

今は仕事、仕事。

公私混同なんてダメダメ。

「新しい案件。目を通しておけ」

目の前にドンと勢いよく投げ置かれた資料。

そして、嫌味な声と威圧感半端ないオーラ。

「東雲さん、もう少し静かに置けませんか?」

斜め上を睨みながら口を開いた

「私情を持ち込むほど余裕のあるお前に、なんの遠慮がいる?」

図星すぎて返す言葉も出ない。

というか、そんな気力ない。

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