未来の約束
押し寄せる現実とすれ違う未来
~美和~

突然のプロポーズだが、女として、素直に嬉しい。

あの日、手術を受け、今日を生きていることに初めて感謝した。


「ちゃんと飲んでるか?薬」


先月サボった、定期検診。

浩太がちゃんと行けと言うから、仕方なくやって来た。

正直樋口に会うのは気まずかったが、いつも通りの樋口に拍子抜けした。


「まあ」

「体調は?どっかの誰かさんが先月検査に来なかったから、比べるものがなくてね」


何、遠回しに嫌みですか?

あたしは、樋口を睨む。


「睨まれても、事実だからな。で、どうなんだ?」

「特に、何も」

「そうか。顔色も良いしな」


樋口は、カルテに慣れたように書き込んだ。

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