W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~

双子パニック!

月曜日の朝

今日は監査の日。
社長のマンションの玄関前。かれこれ10分はここに立っている。

どうしよう、どんな顔で入ればいいの?何もなかったって言ったから平気な振りしないとダメ?でも、思い出しちゃう抱き締められてキスしたこと…。

あの日はあれから、重い体を何とかベッドに横たわらせ、背広を脱がしネクタイとベルトだけ取って、ベッドの横にミネラルウォーターのペットボトルを置いて帰った。
次の日の朝、梗月から[昨日はごめん。あんまり覚えてないんだけど何かあった?]とメールが来て、覚えてないんだ…と、ちょっとがっかりしながら、[部屋に入ったとたん梗月さんは寝ちゃったので何にもありません。あんなに酔うまで飲んじゃだめですよ]と苦言を付けて返した。
[ごめん、ありがとう]と返事が来てから今日まで静香は一人悶々とした時間を過ごした。

ついつい思い出してしまって頭の中がぐちゃぐちゃになりそうなのを振り切り、ここでうだうだしてても遅刻しちゃう!と気合を入れて玄関を開けた。

「おはようございま~す。社長、起きてますか?」

いつもより小さな声で言いながら、ドキドキしながら寝室のドアを開ける。
そこに梗月の姿は無くホッとしながら、ここでキスしたんだ…、とまた思い出しそうになって頭を振ってドアを閉めた。
リビングに入るとシーンとしていて、ソファーに近づくとブランケットを顔までかけて寝ている姿が見えた。
またこんなところで寝て…。
もう、と呆れながらテーブルを見ると、いつものウイスキーの瓶に二つのグラスが置いてある。
誰か客が来てたのだろうか?客が帰った後もお酒を飲んでそのまま寝たのだろう。
今日はブランケットを掛けてるからいいけど、一昨日も相当飲んでたくせに体調が気になる。

「梗月さん!またこんなところで寝て!起きてください!」

ソファーの背面から叱りながらブランケットをめくると、スヤスヤと気持ちよさそうに眠る姿が…。

「え?梗月さん…?」

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