行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?

接近

「そういえば・・・。企画ばかりで盛り上がって、肝心なDenizの試飲をしていませんね」

さくらは、そんな初歩的なことすら忘れてゲーム開発とキャラ作りに熱中していたのかと、自らを笑った。

「Deniz、現段階ではまだ仮称ですが、それ自体のテイストが聖水のイメージに合わなければ、この話は白紙ということですよね?」

「そうですね、・・・ああ、めんどくさいな。以前、社会人云々ってあなたを注意しておいてなんだけど、二人の時は敬語は外してもいいかしら?」

誰にでも気さくなさくらは、あまり堅苦しいのは好きではない。

これから8ヶ月は、波留斗と腹心の友?として協働していくのだ。

「ああ、俺もそうさせてもらう。こっちに来いよ。Denizを試飲させてやる」

これでこそ、暴君系・南條だ。

さくらは、ややテンションが上がるのを感じながら、波留斗の後をついていった。

南條ビバレッジとの話が流れても、ニューゲームの発売は中止しない。

これはTBUの企画開発部全体の総意であった。

もしも、Denizの味が気に入らなくても、TBUには何らダメージはないと思っている。
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