part-time lover


ゆっくりと体を離した後、彼が隣に項垂れるように寝転がった。
その直後、腕を伸ばしてその中に入るよう目で伝えられたので、頭を浮かせて彼の腕に包まれた。

「ごめん、すぐ寝ちゃいそう…」

半分も空いてない目でまどろみながら彼がそう呟く。

「お仕事してきてお疲れですもんね。ゆっくり休んでください」

「ありがと。おやすみ」

今日最後のキスをして、目を閉じた数分後には寝息が聞こえてきた。

早すぎでしょと内心突っ込みを入れた。

おやすみを言って一緒に眠る日が来るとは思ってなかったし、こんなに陽さんに心を開くなんて思っていなかった。

自分の中で気持ちのバランスが取れなくなりつつあるけど、難しいことを考えるのは明日にしよう。

額にかかる吐息と彼の体温に安心して、私もゆっくりと眠りに落ちていった。

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