天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース

アクシデント

それからは、週に1度のデート。
とは言っても、はじめは取引先の接待のような気分で会っていた。

そんな俺の思惑など知らない爽子さんは、いつもニコニコ。

「うわー、美味しい」
「すごーい」
当たり前のことを喜んでいる姿が俺には新鮮だった。

気がつくと、俺も笑っていた。


「泰介さん。母が週末お食事に来てくださいっていうんですが」
「いや、でも・・・」
さすがに即答できない。

「ごめんなさい。やっぱり迷惑ですよね」
「そんなことないけれど」
「あの・・・気にしないでください。母は料理が好きなんです。純粋に料理を食べて欲しくて誘っただけですから」
気遣うように、爽子さんは笑った。

迷惑っていうよりも・・・俺の気持ちがついていかないんだ。
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