晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
私の部屋で
 翌日。

私は定時に会社を出て、スーパーに向かう。

和食はやめて、ハンバーグか唐揚げか…パスタは茹でたてじゃないと伸びちゃうし。

私は、食材を見ながら悩む。

その時、特売のケチャップの横に置かれたレシピカードが目に留まった。

そこにはおいしそうなオムライスの写真。

なんだか食べたくなっちゃった。

うん、オムライスにしよう!

私は、必要な食材を籠に入れてレジに並ぶ。

ずっしりと重い買い物袋を下げながらも、うきうきと軽い足取りで、家に向かう。

階段を上り、部屋の前で鍵を開けようとして、首を傾げた。

あれ? 鍵かけ忘れた?

そう、鍵を回してもいつものカチャリという音がしない。

もしかして、今日は課長が来るから、朝から浮き足立ってたのかな。

私は反省しながら、ドアを開けた。

え?

廊下とキッチンを抜けた先のリビングの電気が点いている。

あれ? 私、電気も消し忘れた?

不思議に思いながらも、買い物袋を冷蔵庫の前に起き、リビングを覗いて驚いた。

「ああ、晶、おかえり。」

「な…んで… 」

「なんでって話があったから。」

そう言って、さも当然のようにうちのソファーで智也がくつろいでいる。

状況を飲み込めないでいると、

「座れば? ほら。」

と二人がけのソファーの端により、片側を空けてくれた。

見ると、ソファーの前のローテーブルの上には、智也の鍵の束が携帯と並んで置いてある。

これは二ヶ月前までのいつもの光景だった。

そうか。
合鍵、返してもらってないんだ。
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