オレンジ色のROMANCE

ン~たしかめたい。

「ただいま。」
拓成が、帰って来ると家の中には、
舞香の姿は、無かった。

「舞香ー、舞香ー?」
慌てて鍵を取り舞香のマンションへと
Uターン、しかし帰った様子は無い。

「買い物か?」
舞香御用達のスーパーへと向かい
探し回る。

コロッケか?
またあと帰りコロッケ販売店へ

ここにもいない。
携帯にかけるが出ない。

もしやマンションに帰ってきたかも
また車を走らせる。
部屋の中には、見当たらない。
頭を抱えて座り込む。

仕方なく水を飲もうと冷蔵庫を
開けた?

「ん??ん?ん〜んん?
無い‼
無い‼
ン、十万のワインが..無い‼」

あれ?あれ!あれ?

リビングのテーブルにコップが見える。
惹き付けられるように近づくと、

««バッ»»

大事なワインちゃんが栓をポンと軽く
差し込まれたまま投げてある。


目玉、ビヨヨヨヨョン
口、 パッカーン。

ポイ捨て状態の、ン十万のワイン‼。
ガックリ⤵⤵⤵
ショックのあまり、怒りも消沈‼
顎を元にもどし..

半分以上飲まれ軽くなったワインを
抱きしめヨロヨロヨロと立ち上がり

はああアアッと、項垂れる。

ぐー
がー
ぐー
がーゴオオオォォォ
ん?ん?ん?聞きなれない音

シーンとした室内にリズミカルに
響く騒音‼

拓成は、音を辿って歩きだす。

な、なんだ?

舞香は、鼾をかくのは知っていた。
しかし、おっさんレベルのイビキだとは
夢にも思っていない。

ん? なに?なんの音?

昔見た怪獣映画を思い出させるよう
な、それは土深い穴の中からでは
無く、拓成のベッドの下から聞こえて
来る。

リズミカルな騒音

ぐー
がー
ぐー
がー

すぴぴぴぴ、
すぴぴぴぴ

グワー
ン、ガッ、ンーガッガッ‼


のループ

恐る恐るベッドの下を覗く。
何故か俺のお気に入りのコート発見‼
コートの端っこをツマミ引く

スルスルスルー
華奢な舞香がでてきた。
バックを枕に...ぐっすりと、〃むにゃむにゃ‼〃幸せそうな笑顔をみせて、

「そりゃそうだ‼ン、十万のワイン
飲んで眠ったんだから..」

騒音は、暫く止まったが又

ウガー
ぐー
がー
ぐー
がー
ウガー

「はあああぁぁぁ」
ペタンと座り込む、横向きの顔は
綺麗な耳と項、流れるつやつやとした
髪・・・。

ワインの文句も、こんな可愛いい姿
目にしたら言えなくなる。

寝込んだ舞香にチュッ、キスをする。

グオーガッ
鼾の音が変わった、 なぜ?

ん、ムニムニ
ん~アファッと背伸びをした後
パタッ、力を抜く。
そんな仕草を眺めながら起こさずに
ベッドに抱え入れようとした時、
舞香が目を覚ました。
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