クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
告白する勇気
「リアナ、何か気になることがあるなら言ってくれ」

リカルドが真剣な目を向けて来る。

その時ふと気が付いた。エルドラ王女のことだけでなくリアナは今までリカルドに対し口ごもることが多かった。

話をするとき、言っていいことか、悪いことか、慎重に考える癖がついていた。

それは大切なことと思うが、夫婦ならもう少し心のまま話していいのでは?

リカルドと向き合わないで逃げたことを後悔した。

自分から変わらないと、この先も変われない。


決心してリアナは秘めていた想いを口にする。

「私、リカルド様はエルドラ王女様を愛していると思っています。ふたりは恋人同士だと」

リカルドの顔がこれまで見たこともないような、驚愕に変わる。

「ど、どうしてだ?」

「ごめんなさい。私、見てしまったんです。月光宮の夜会のときに、リカルド様とエルドラ王女が抱き合っているところを。二人の会話も少し聞こえてしまいました」

リカルドが怪訝な顔をする。
しかしリアナの言葉で思い至ったのか、目を見開き直後身を乗り出して来た。

「あれは違う! エルドラに抱き着かれたことは有ったが、直ぐに引き離した」

「引き離す?」

未だ鮮明な記憶を思い出す。リカルドの胸にエルドラ王女が顔を埋め、彼も王女の肩に手を置きいていて……。

「……あれは離そうとしていたのですか?」

「そうだ! それにエルドラを女として見たことなど一度もないし、今後も絶対にない」

「そ、そうなんですか」

リカルドは狼狽しているが、リアナも負けないくらいに動揺していた。

(私、凄い勘違いをしていたの?)

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