大嫌い、だから恋人になる
「一人?だったらどっかに遊びにいかない?」

白崎君はこの時、高校生。だから中学生の私には、とても大人に見えた。
凄くかっこよくも見えた。でも私は警戒した。白崎君の噂は、この辺の中学校でも割と有名だったから。

「ごめんなさい。私、友達と待ち合わせしてるから」

私はウソを吐いた。私を待ってる友達なんて誰もいないのに。

「またまた。そんなに俺のこと怖い?」

「別にそんなわけじゃないです」

「だったら良いじゃん。少し付き合ってよ」

「でも本当に友達が・・・」

「そっか。じゃあ、仕方ないな」

白崎君はあっさり言った。

「だったら連絡先だけ教えてよ。少し話そうよ」

私はちょっと迷った。怖かった。でも目の前にいる白崎君は、ちょっと軽い感じだけど、そんなに悪そうな人に見えなかった。嫌になったら、連絡しなければ良い、私はそう思って連絡先を交換した。
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