同窓会〜あの日の恋をもう一度〜

告白

パソコンが立ち上がり、坂本が先程のSDカードを差し込んで、画像を開いて行く。

「卒業式の日、この画像の中に西田がいないんだって改めて思ったら、凄く後悔した。

卒業式の数日前に、図書室に呼び出されて西田が言ったよな。
『知らないうちに、俺が西田を嫌うような事をしたか』って。

……逆なんだよ。

中学校に入学して、三年で同じクラスになってから、ずっと西田が好きだったんだ」

パソコンの画面を開きながら、泣きそうな表情のまま、でもはっきりと坂本が口にした。

「十一月の音楽祭前の連絡網を回さなかったのは、俺が西田のお昼ご飯を用意して、お弁当を分けてやるって口実に一緒にお昼を食べたかったからって、今思えばしょうもない理由。

前の週に、俺が図書室で告白されていたの聞いていたの、気付いてたんだ。
告白を断ったのも聞いていたと思うけど、同じ生徒会役員の子だったし、西田に誤解されるのが嫌だった。
だからあの日、一緒にお弁当を食べながらその話をして誤解を解こうと思ったんだ」

今思えば浅はかな事をしたよなと独り言ちている。
パソコンに映し出される画像がスライドショーの様に、時間が経過する毎に変わっていく。

写真を撮影したのは坂本なのだろう。
卒業式の日の集合写真以外に、坂本の姿は何処にもない。

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