過ぎた時間は違っても
四章・無理な我が儘

分かってる

久し振りの部活の練習試合に期待で胸を膨らませていた。来栖先輩が入った事でより強化された今のチームがどれだけ凄いのか知りたかったんだ。

「遅刻するよ」

「まだ大丈夫・・・」

体を揺すって起こされたけれど、唯織はいつも行動が早すぎるからまだ寝ていられると思っていた。でも、しつこくて時計を見ると後十分で試合が始まる時間になっていた。走ればまだ間に合うけど朝ご飯を食べないと力は出ない。
気持ちだけ焦らせてのんびりと居間に向かった。唯織はため息を吐いていたけれど、俺の性格を知っているんだからそんなに呆れないでと思った。でも、もし俺が世話の焼く性格のままでいたら、この性格が治るまでそばにいてくれるんじゃないかって儚い期待を抱いている俺がいた。
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