しあわせ食堂の異世界ご飯5
四 きのことレタスの肉団子スープ
四 きのことレタスの肉団子スープ
 
 今日はしあわせ食堂にリズが来る日で、そういった場合は一緒に料理の練習としてお昼ご飯を作ることになっている。
 リズは包丁の扱いにも慣れてきて、調理の仕方もとても丁寧だ。
 どちらかというと、大衆食堂の料理人というよりは、貴族専属の料理人といったほうがしっくりくるだろうか。

 アリアは倉庫から持ってきた食材を作業台の上に置いて、リズとカミルを呼んでさっそく調理に取りかかる。
 あまりのんびりしていると、空腹になったシャルルのお腹と背中がくっついてしまうかもしれない。
 リズは食材を手に取り、いったいなにを作るのだろうとわくわくしている。
「今日はきのこがたくさんありますね! それからお肉も」
 用意した食材は、リズが手にしているたくさんのきのこと肉、ニンジン、玉ねぎ、レタス、パンだ。
「それじゃあ、大変だけどお肉をミンチにするところから始めます」
「「えっ!」」
 突然の重労働に、リズとカミルの声がハモる。
 しあわせ食堂で使っているハンバーグ用のお肉は、仕入れ先にお願いしてすでにミンチにしたものを届けてもらっている。そのため、普段はミンチという重労働から解放されているのだ。
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