無邪気な彼女の恋模様
三章 俺のなんで


水戸さんからのおはようスタンプは続いている。
よく飽きもせず送れるもんだと、最近では感心してしまうほどだ。
迷惑は迷惑なんだけどなかなか上手く対処できずに、私も律儀に返信スタンプを送ってしまっている。
ただ、リアルタイムに返信はしない。
忙しくて気づきませんでした的な感じに、時間差で送ったりすることがせめてもの抵抗だ。
迷惑してるんだよ、いい加減気づいてよ。

私の祈りも虚しく、水戸さんのメッセージはエスカレートした。

【今日お昼一緒にどうですか?】

どうって言われましても。
あまり行きたくはない。
だけど無下に断るのも悪い気がする。
だって一応年上の方だし。
それなりに仲良くしてたわけだし。
困り果てたあげく、一度だけ付き合ってそれで満足してもらおうという結論に達した。

その甘さが命取りだった。
本当に、自分を恨みたい。

それをきっかけに、今日はお弁当?外にランチ?と聞いてくるメッセージが頻繁に送られてくるようになった。
水戸さんとランチすることを避けるために自然と毎日お弁当になる。
たまには波多野さんと一緒にランチしたい。
したいのに…。

ああ、マジで頭が痛い。
誰か助けて。
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