君の描いたクローバー〜遠く離れても、きっと〜
未来への約束
目を覚した時、私は病院のベットの上にいた。酸素吸入器をつけられて、腕には点滴の管が通っている。

「彩羽!!」

泣きながらお父さんとお母さんが目を覚ましたばかりの私に声をかける。

「わ、わたし……」

ゆっくりと記憶を辿り、美術館に工くんとデートに行っていたこと、そこで発作を起こしてしまったことなどを思い出していく。

「工くんは?」

「工くんなら家に帰したよ。もう遅いからね」

お父さんが私の手を取り、言った。私は工くんに申し訳なく思い連絡をしたかったけど、休むようにお父さんたちから言われてしまった。仕方なく私は病室の天井を見上げる。

また、この場所に来てしまった。これで何度めだろう。今回も手術をするのかな?

どうしてこんな体に生まれてしまったの?私の目から涙が流れていく。

そのままゆっくりと私はまた意識を手放した。



次の日、私はお医者さんから深刻な顔で私の病気について言われた。

私の病気は、もう日本の医療ではどうしようもないらしい。放っておくとあと三年も生きられない。
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