社長の溺愛にとかされて
慎也の車が置いてある駐車場へ。

駐車場は小さく、車を6つとめるのがやっとのスペース、
そこに一際目を引く真っ赤な車が一台。

慎也は迷う事なく、その真っ赤な車に向かう。

いつも思うのだが、真っ赤な車は小柄ながら、
存在感が大きく、周りの視線を集める。

形はクーペで、少し丸みを帯びていて可愛らしい。

「どうぞ」

と言って、ドアを開けてくれる。

「あ、うん、ありがとう」

車に乗り込むと、椅子も普通のとは少し変わっていた。

「ドア二つなのね」

車に乗り込み、シートベルトをしながら、慎也が答える。

「スポーツカータイプだからね」

「何て車なの?」

「マツダのROADSTER RF」

「へえ」

椅子が普通のと違うのも、スポーツカーだからなのだろうか。
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