花はいつなんどきも美しく
そんな、まさか……

悠之介side

聡美ちゃんがお店に来なくなって、一週間が過ぎようとしていた。


「ママ、最近ため息増えたね」


今さっきお帰りになったお客様のテーブルを片付けていたら、常連さんからそんなことを言われた。


ため息なんて、無意識だった。


「そうかしら?」


言ってきた常連さんは、一緒に飲んでいるメンバーに確認をする。
ほとんどが頷いている。


「あと、聡美来なくなったな」
「まあ……あんなことして、来られないだろ」


聡美ちゃんは、周りの目を気にせずにキスをしてきた。
常連さんのほとんどがあの光景を見ていたということもあって、来たくないと思うのも無理ないと思う。


だけど……


「なんなの、今日のメンツ!いまいちすぎるんだけど!」


考え事をしていたら、女性三人が店に入って来た。
もうすでに酔っているみたいで、二次会のようなもので来てくれたのだろう。


「いらっしゃい。お好きな席にどうぞ」


いつものように接客をすると、全員目を見開いた。


この反応には慣れているから、ショックは少ない。
といっても、覚悟してこの口調でいるのだから、平気に等しいけど。


三人はテーブル席ではなく、いつも聡美ちゃんが座っているカウンター席に座った。
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