転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
エピローグ

「――お父様、今まで育ててくださって、ありがとうございました」

 婚約式も無事に終わり、父であるイローウェン王が帰国することになった。
 ひとり見送りに出たヴィオラに、父は複雑な目を向ける。

「――ああ」

 ザーラは、前王妃を暗殺した件により、父とは離縁。王妃の地位もはく奪された。異母兄、異母妹も同様だ。
 ザーラは、父の恩情により処刑は免れたものの、生涯を牢に捕らえられて過ごすと決められている。父との再会も、もうかなわない。
 
 異母兄と異母妹は、まったく関わっていなかったという理由から、地位のはく奪で終わった。
 兄妹は、途絶えていたとある貴族の家を復興することとなり、その領地で暮らすそうだ。王宮からの援助もほとんど期待できないし、その領地は荒れ果てているから、今後苦労することになるだろう。
 ヴィオラは、今までふたりが持っていた領地を譲り受けた。王女なのに領地がなかったほうがおかしいのだが、それは今言っても仕方のないことだ。
 
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