雨のリフレイン

会えたらかけたい言葉

患者の名前は、桜木一樹(さくらぎ いつき)。

今回は検査入院。早速、初日の今日から、検査の予定でいっぱいだった。


「失礼します。桜木一樹さん」


柊子が特別室を訪れると。
ベッドの両脇に、真っ黒なスーツに派手な紫や赤のシャツ、これまた派手なネクタイ姿の、異様な男性がズラリと並んでいた。

ひと目で分かる。

彼らは、ヤクザだ。


「あれ〜?柊子ちゃん?特別室担当になったの?
あー、そういえば、インフルで何人も休んでるって山田師長が言ってたな」

桜木の枕元には、翔太がいた。

「オヤジ、今日はラッキーですよ。
この子、八坂さんのお嬢さんで、柊子ちゃん。
看護師目指して勉強中。
可愛いでしょ?」

「八坂さんのお嬢さんか。
八坂さんには、いつもお世話になっているよ。
よろしく」
「よろしくお願いします」

なんとも、渋くダンディな桜木に、柊子は満面の笑みを浮かべる。



「コラ、黒川!ヘラヘラすんな」
「すんません!」

そんな柊子を見て、ズラリと並ぶ男性の一人が先輩と思われる人物に頭を叩かれた。


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