皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
お父さん、怒る
【フィンリューク】



カチカチと、時計の音だけが鳴り響く。



金色が多く使われた会議室のような場所。



静まり返った空気は、緊張感を漂わせていた。



とても重苦しい。



「証拠など、見せる必要があるのか?」

「言いがかりだと言っている」

「ならば、うちの皇子を殺そうとして、姫を誘拐したのは、誰なのだろうな?」

「はははっ、知るわけがない」



頭がライオンの獣人の王が、父の発言を笑い飛ばした。



絶対認めない。



やったのは、バルジャではないと。



「そんなことを言うために皇帝自ら出向いたと言うのか」

「確証がなければ、こんな場所には来ないがな」

「旅行だと思って、ゆっくりしていくといい」

「そうか、それならば…こちらにも考えがある」

「なんだと?」

「争い事は、バルジャ皇帝の専売特許ではなかったか?武力を持って、この帝国を
作ったのだったな。戦おうか、皇帝よ」



こちらから仕掛ける。



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