ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Hiei's eye カルテ2:昨日の味方は今日の敵?
【Hiei's eye カルテ2:昨日の味方は今日の敵?】
夜中も何度も震えた私用の携帯電話。
他人とプライベートまで関わりたいとは思えない俺のこの携帯電話の番号を知っている人間は限られている。
東京に住んでいる両親
伶菜
そして
学生時代から付き合いのある入江さん
すぐ思い浮かぶのはその程度
だから、その内の誰かが俺の私用携帯を鳴らしているに違いない
そう思った俺はもし、緊急の用があるなら何度もかけてくるだろう・・と1度目の着信は無視した。
2度目はすやすやと眠っている伶菜を起こしたくなくて、スルーした。
そして3度目。
もしかして、両親のどちらかの身になにかあったのかも・・と思い、携帯の画面で電話を鳴らしている人物の名を確認した。
【入江佑也】
どうせ、いつもみたいに酔っ払って電話してきたのだろうと3度目も手に持った携帯電話の通話ボタンを押すことなくテーブルの上に戻した。
そして、スヤスヤと眠っている伶菜を起こしてまで抱くべきではないという理性をどうにか保ち、彼女のカワイイ寝顔を守り抜き、迎えた朝。
目を覚ました伶菜と軽くじゃれ合っていくうちに、抱き合いたい
という雰囲気になっていた矢先、4度目の着信を知らせる振動が起きた。
さすがに目が覚めている伶菜もそれに気が付き、”携帯鳴ってるけど、出なくていいの?” みたいな目で俺をじっと見ている。
『・・・そのままにしておけばいいから。』
またかよ
朝っぱらからなんだ?
昨日のサプライズとかも入江さんらしくなかったけれど
今日もまだサプライズがあるのか?
サプライズとかありがたいような気もするけれど、
でも、今は遠慮しておきたい
昨日の夜中ずっと耐えた俺なんだ
しかも、今の伶菜も俺を求めている
そして、今の俺を彼女を求めている
そんな今をふたりだけで過ごしたい
名古屋を出発する前
伶菜と駆け落ちすることをやめて、ちゃんと今まで自分がいた場所に戻ると決意したんだ
だからせめて、今ぐらいは誰にも邪魔されることなく
「でも・・・・ンんんんん」
彼女にこのままキスし続けたい