ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
『病院なら奥野さんがちゃんとやってくれてる。』
彼女と素肌を重ねて抱き締め合いたい
『だから・・・そのままにしておけばいいから。』
俺の理性を掻き乱す甘い香りのする彼女と
・・・時間を忘れてしまうぐらい一緒に居たい
だから誰も
今という時間を邪魔するな
ようやく手に入れた
伶菜と素の自分が向き合える大切な時間を
誰にも邪魔させたくない
ピンポーン!!!
突然鳴ったチャイム。
ホテルの部屋のチャイムが鳴ったことなんて初めてで、
しかも今のこの状況で鳴るとか、どういうことなんだ?
「お客様・・・ルームサービスでございます。」
この声、なんとなく想像はしていたけれど、
まさかここまでやるとは思っていなかった
しかも、伶菜は眉をしかめて、俺が仕掛けたことみたいに疑っているような顔をしているし・・・
『今の、聞き流せ。』
「・・・・・・・」
今度は、仕掛けたクセに何言ってるの?みたいな顔している
多分、さっきのルームサービスの声が誰なのか、気が付いていないみたいだな
「で、でも、このままじゃ、ホテルの従業員さん困っちゃ・・・・ンん?」
やっぱり・・・気が付いていないみたいだ
俺だったら、今のこの状況でホテルの従業員が部屋を訪ねてきても、寝ているフリするけどな
という意味を込めて伶菜の口を指で塞ぐ
『ったく、聞き覚えあるだろッ、さっきの声。』
まあ、今、ドアの外側にいるのは、ホテル従業員じゃないことはわかっているからそんな自分勝手なことを思ったりできるんだが
というか、ここまでやって来るなんて
何を考えているんだ
入江さんは・・・
俺のことをよく知っている入江さんでも
昨夜、理性と闘い続けて、一睡もせずに朝を迎えたことなんて想像していないだろう
それに、入江さんが夜中まで電話するまでサプライズを仕掛けるようなことにのめりこむとは思えない
それにここまで来るということは、多分、サプライズとかお遊びとかそういうことじゃないかもしれないな