美髪のシンデレラ～眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない～

ヘアケア商品の価値

研究室に戻った瑠花は、再度白衣を羽おって液体と向かい合う。

シャンプーの洗浄成分ひとつ見ても、アミノ酸系、高級アルコール系、石鹸等々ある。

油分の洗浄や頭皮ケアを目的とした様々な成分も組み込まれている。

リンスやコンディショナーは、界面活性剤と高級アルコールを主成分とし、髪の手触りを良くするためエステル油の他、補修成分などが加えられている。

最近は、ノンシリコーンやボタニカル（植物由来という意味）といった謳い文句が重用され、女性を中心に人気を博している。

しかし、髪に良くないと言われているシリコーンにもコーティング作用やダメージ予防の役割があり一概にデメリットばかりとは言えない。

ノンシリコーンにもメリットがあることも確か。

生産者としては悩ましい限りである。

ボタニカルという言葉も曖昧で、ボタニカルと表示されていれば100％植物由来というわけではなくその割合は各社様々。

消費者自らの目で見極める必要があるのだ。

更に重要なのが、匂いの成分である香料。

ほとんどか合成成分であり、香りばかりを重視すると、その物質が体に害を及ぼす場合もあるので注意が必要だ。

消費者のニーズは様々。

だからこそ、個々のニーズに合った最適なシャンプーを作り続けたい。

それが瑠花の望みだった。