余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる
余命2カ月の少女は夢を見た
5月に入る、1日前。
いつものように蒼野とベットに入って眠りについた。
…久しぶりに、夢を見た。
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キキーーッ…
物凄いスピードのトラックが、
けたたましいほどのクラクションを鳴らしてブレーキを踏みながらわたしのお母さんとお父さんに突っ込んだ。
即死、だった。
「お母さん…?お父さん…?」
中学3年生だった。
わたしはまだ、子供だった。
動かない両親に泣きながら声をかけるわたし。
「ね、え。嘘だよね、嘘って言ってよ!!
ねぇ、ねぇ…」
パッと切り替わって、今度はわたしが1人で苦しむ夢。
「心臓、が、痛い…苦しい、」
「…はやく、こっちにおいで?
こっちは楽しいよ、死んじゃったママもパパもいておばあちゃんも居る」
「…お母、さん?」
「透花も、はやくこっちにきたいだろう。
はやくおいで…?」
「はやくおいでよ」
「おいで」「おいで」「おいで」「おいで」
「おいで」…
「いやぁぁぁぁぁ!わたし、まだ、
死にたくっ…ない!!!」
次に映ったのは、いつもの病院。
いつもの場所でいつもの先生が言う。
「ー…病です。治ることは、ないでしょう。
おそらく、あと2ヶ月でしょう」
わたしの隣で、両親が言った。
「透花、死ぬな…」
「行かないで、行かないで、」
「死なないでくれ」
「おいで」「行かないで」「はやくおいで」
「死なないでくれ」「おいで」…
沢山の手が、わたしに向かって伸びてきた。
「いやぁぁぁぁぁ…ー」