あやかしの集う夢の中で
夢の中の雪女
桜介と愛理は時宗たちと別れ、別々の道を進んでいた。



そして最初は三メートルしか幅がなかった道がしだいに大きくなっていき、今では道の狭さを感じなくなっていた。



それと時期をほぼ同じにして、狂暴そうな夢妖怪たちが現れた。



今、目の前に現れている夢妖怪の大きさはおよそ三メートル。



今までにないくらいの大きさだった。



でも、自信に満ち溢れている桜介は敵に怯むことなく、正々堂々、真っ向から夢妖怪を迎え撃つ体勢を整えていた。



「敵の数、十体。

大きさ三メートル。

強そうなのが出てきたぜ」



「ねぇ、桜介。

そんなに余裕をかまして大丈夫なの?

時宗君はいないんだよ」



「そんなの関係ねぇよ」



桜介はそう言いながら炎の技を出す構えに入っていた。



「夢の世界でオレは最強だ!

くらえ、スーパー大炎上!」



桜介が天高く振りかざしていた右手を敵の方に向けると、右手から巨大な炎が飛び出し、夢妖怪たちを巨大な炎で包み込んだ。



「すごい……。

桜介の力って、本当に無敵なの?」



リアルな世界では頼りなかった桜介なのに、夢の中の世界では頼もしく見えてくる。



思いが強い者が夢の世界で最強だとしたら、桜介の思いは最強レベルに強いということだろうか?



愛理がそんなことを思いながら桜介の背中を見つめていると、桜介は笑いながら愛理の方を振り向いた。
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