寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「世界一幸せにするよ」





それから三ヶ月後ーー。

「続いて、新婦入場です」

アナウンスが響き、雪乃はソワソワしながら顔を上げた。
日の光でステンドグラスの窓が幻想的に浮かび上がるチャペルに、華やかにドレスアップした人々が集まっていた。

新郎はすでに外国人牧師の前に立っており、緊張の面持ちで、美しい花嫁を待っている。

大きな扉がゆっくり開くと、バージンロードの始まりには、父親にエスコートされた真っ白なウェディングドレスの新婦が姿を現し、会場はワッと拍手に包まれた。

(皆子さん、綺麗……!)

髪からデコルテまでの肌がキラキラと光り、お調子者な普段のイメージとはがらりと変わるほどの、天使のように上品なドレス。

大好きな先輩・皆子の晴れ姿にすでに涙目になっている雪乃は、ハンドバッグからレースのハンカチをとり出し、口もとにあてた。
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