寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
バージンロードの向こうには、新郎側の来賓席がある。
そこには恋人の晴久の姿があった。
雪乃は新婦側・総務部のゲスト、晴久は新郎側・営業部のゲストとして呼ばれているため、この場では離れているが、同じ列で時折見つめ合う。
晴久は、花嫁を見てさっそく泣いているピンクベージュのドレスの恋人を微笑ましく眺めていた。
同時に、緊張して「誓います」の言葉ですら噛んでいる新郎・小山にも笑いながら視線を向ける。
(先を越されたな)
キューピッドでもあるやんちゃな後輩の幸せそうな姿に、心から祝福の拍手を送った。